求められるままにすれば、見えない場所で

「面白くない」


距離を置けば、

「応えろよ」


駐在すれば、

「入れない」


足を向けるのを控えれば、

「放置」






この数ヶ月、本当に色々と考えてきた。
不眠になっても、考える時間は足りなくて足りなくて足りなくて。
何より私の頭が足りなくて。


どうしたらいいだろう、
どうしたら

「楽しい」

その一言を、聞かせてもらえるのか？



今はただ、入室をぐっと堪えるだけ。
こんなに考えて、答えはまだ出ない。
どんだけ足りないんだか、まったくもぅ。




















こんなとき、彼女ならなんて言うだろう。



きっと、こんな風になる前に
何気ない言動からすべてを悟ってくれるだろう。


ふざけながら
笑いながら
甘やかしながら
本筋を見失いながら
バカみたいな冗談を言いながら


いつだって、私が一番欲しい言葉をくれる

魔法の口。


何も言わず、ただ頭を撫でるだけかもしれない

魔法の掌。















そうして、
何事もなかったようにごろごろ寝そべりながら、オレはPCを弄って、彼女はテレビを観る。
いつものようにはしゃいで、一緒に風呂へ入る。
髪から顔まで、全部洗ってもらって
時々、オレも洗ってあげて。
逆上せやすい彼女はいつも、真っ赤どころか青い顔をして先に出る。
オレが出れば、すぐさまバスタオルを広げて駆け付ける。
横になったらなったで、
わざと布団を蹴り飛ばして
かけなおしてもらって。
体温で暖を取ろうとして
マジ殴りされて。
蹴り返して、さんざん暴れて。

手を繋いで眠る。

毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日...















甘えていたのは、自分だ。　卑怯なのは、ずるいのは。






ちゃんと知ってたよ。


でも、知っていたよりももっとずっと、だった。





なー、





「ひとり」って、こんなにも大変なことだったんだね？


でも、生きなくちゃ。
オレは、やらなくちゃ。






残されたこの時間
今はもう居ない可愛い貴女に、恥ずかしくない人間であるように。
せめて、綺麗な貴女の汚点とならないように。

オレのために。
おまえのために。