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この手に残るのは
離れることのなかった温もり。
やわらかな頬。
この目に残るのは
わざと不器用にスキップする夜道。
追い着くのを待ち切れなくて、翻す笑み。
泣き笑い。
この耳に残るのは
おはよう。
おなかすいた。
いってらっしゃい。
おかえり。
おやすみ。
しあわせ。
ころして。
呼吸と同じ数だけこぼれた、愛の騙り。
この肌に染み付いたのは
臭いオトコの手。
絞めた首。
10年後の、やくそく。
また触れたくて、自分の咽に手をかけてみるけど
それじゃちがう。
何もかもちがう。
おまえに受け取ってもらえたのは
モノ。
オカネ。
そして
今日もまた、おまえは笑い続ける。
大好きな目で。
聞いたことのない声で。
モノもオカネもオレも
その靴底で踏み消していくために。
「タノシイコト」だけ
その綺麗な瞳に映していくために。
殺したかった
殺されたかった
今でも。
今からでも。
心臓が痛い。